◆月を撮る
 フィールドスコープKowa TSN824Mに50xのアイピースTSE-9Wを装着すると、デジカメ(CASIO EX-Z850)の焦点距離f=7.9〜23.7mmをほぼ標準画角の9.1mmに設定することで月の長辺が横構図に納まる画角となる。(35mmフィルム換算だとf=2188mm相当) 
 縦構図だと14.2mm(f=3415mm相当)で納まるが、アスベクト比4:3なので満月前後は幅が足らなくなってしまう。カメラのズームレンズは望遠側ほど画質が甘くなる傾向なので、どの焦点距離で撮るのかはトリミングした場合の画素数低下とを勘案しつつ決めることとなる。

月齢3.669(三日月)
 デジスコシステムを導入して間もない2006年の8月27日、石垣島で撮影。当時は不慣れなこともあり、カメラの広角端f=7.9mmで撮影し、縦構図のアスベクト比にトリミングている。 大気の影響を受けやすい低い高度の月だったが、さすがは光害がなく空気の澄んだ石垣島、横浜郊外とは比べものにならないほどシャープな画像が得られた。
2006/08/27 20:14:01
Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース)
CASIO EX-Z850  ISO50・WB:蛍光灯(昼光色)
f=7.9mm・Mode:M(F2.8・1/13sec)・AF
トーンカーブ調整・トリミング・リサイズ

月齢7.873(上弦の月)
 デジスコの扱いも慣れてきたので長辺が縦構図一杯に納まるようにズーミングして撮影。35mm換算だと3000mm以上の超々望遠となり、高倍率に加え仰角も大きいため、鳥撮用に購入したビデオヘッドではフレーミングに苦労する。
上弦月前後、月面の表情が最も美しい月齢ではなかろうか。
2009/01/04 18:19:14
Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース)
CASIO EX-Z850   ISO50・WB:蛍光灯(昼光色)
f=14.2mm・Mode:M(F4・1/25sec)・AF
トーンカーブ調整・トリミング・リサイズ

月齢14.393(満月・望月)
 撮影対象としての満月は案外つまらない。光線状態が順光であるがゆえにクレーターなどの起伏が影を引かず、まったくと言っていいほど立体感が失われてしまうからだ。まぁそれだからこそティコクレーターの光条がクッキリ浮かびあがるのだけど。
 満月の形の良さは引き気味の風景として捉えてこそ活きてくるような気がする。

 蛇足ながら、満月の前後はカメラのオートフォーカスがピントを外しがちとなってしまう。おそらくコントラストが低いが為なのだろう。スコープを振って画面の真ん中にあるAFターゲットを月の輪郭に合わせることで解決することが出来る。
2009/04/20 22:13 Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース),CASIO EX-Z850
 ISO50・WB:蛍光灯(昼光色)・f=9.5mm・Mode:M(F3.1・1/80sec)・AF・トーンカーブ・リサイズ

月齢21.517(下弦の月)
 いわゆる半月には満月前の上弦と満月後の下弦がある。肉眼では同じように見える両者だが、望遠鏡に浮かぶ姿はずいぶんと違った表情。
 さらに、下弦の月が見られる時間は深夜なので、より静謐な印象を受ける。
20109/02/06 04:35:46
Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース)
CASIO EX-Z850   ISO50・WB:蛍光灯(昼光色)
f=14.2mm・Mode:M(F4・1/25sec)・AF
トーンカーブ調整・トリミング・リサイズ

月齢23.883(二十三夜)
 月齢18辺りから月の出時刻がだんだんと深夜に推移し、なかなか月を仰ぎ見ることが出来ない時期となってしまう。普通の生活をしている人にとって、下弦の月や二十三夜月などはなかなか目に触れることない月齢なわけだ。
 そんな細りゆく月だが、極軸を中心に左右を比べると、どうも左半分は表情が乏しい。コペルニクスクレーターが一際目立つ程度で、右側に比べると起伏の変化が少ないように見えてしまう。
2008/11/22 05:25:08 Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース),CASIO EX-Z850
ISO50・WB:蛍光灯(昼光色)・f=9.5mm・Mode:M(F2.8・1/25sec)・AF・トーンカーブ調整・トリミング・リサイズ



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